2012/11/12

[Press]植物系放射性セシウム汚染物を除染・減容するための実証試験プラント

-ナノ粒子吸着材を利用し汚染物を1000分の1に減容することを目指す-
  • 数トンの植物系放射性セシウム汚染物を試験的に焼却し、焼却灰を除染する予定
  • 焼却灰から85 %以上の放射性セシウムを抽出した後、ほぼ全てをナノ粒子吸着材で回収
  • 仮置き場や中間貯蔵施設の必要容積低減や焼却熱利用によるバイオマス発電推進などに期待
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2012/pr20121112/pr20121112.html


独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 野間口 有】(以下「産総研」という)ナノシステム研究部門【研究部門長 山口 智彦】グリーンテクノロジー研究グループ 川本 徹 研究グループ長、伯田 幸也 主任研究員、田中 寿 主任研究員、小川 浩 主任研究員、南 公隆 産総研特別研究員、北島 明子 産総研特別研究員らは、東電環境エンジニアリング株式会社【代表取締役社長 楢崎 ゆう】(以下「東電環境」という)と共同で、植物系放射性セシウム汚染物を焼却し、生じた焼却灰を除染した後、抽出された放射性セシウムをプルシアンブルー(以下PBと略記)ナノ粒子吸着材で回収する技術を開発し、東電環境が実施主体となりその実証試験プラントを福島県双葉郡川内村に設置した。
 今回、開発した技術の実証とプラントの運転条件最適化を目的として、実証試験を開始する。この試験では、数トンの植物系放射性セシウム汚染物を試験的に焼却し、汚染物の1000分の1の量のPBナノ粒子吸着材で放射性セシウムを回収することを目指す。これによって、今後設置される除染廃棄物用の中間貯蔵施設における必要容積の低減が期待される。また、汚染物焼却時の燃焼熱を利用してバイオマス発電を進める場合の基盤技術となることも期待される。