Znプルシアンブルー型錯体ナノ粒子のサイズ低減による電気化学特性の向上
Kyoung Moo Lee, Hisashi Tanaka, Kyung Ho Kim, Midori Kawamura, Yoshio Abe, and Tohru Kawamoto
Appl. Phys. Lett. 102, 141901 (2013)
http://dx.doi.org/10.1063/1.4800443
Received 2013/03/01 Published 2013/04/08
分級後のZn置換プルシアンブルー型錯体ナノ粒子の電子顕微鏡像/SEM images of Zn Prussian blue nanoparticles after classification |
Zn置換プルシアンブルー型錯体(ZnPBA)ナノ粒子の粒径を制御し、電気化学特性を向上させました。粒径が58.8nmのものでは、10,000回サイクル後も安定な酸化・還元反応を示しました。ZnPBAは、酸化状態、還元状態の両方がほとんど透明のため、エレクトロクロミック素子の対極として使用していきます(*)。
粒径制御は遠心分離による分級(**)で行いました。上図の***gは、遠心分級時の加速度を表しています。高速で回転させ、加速度を上げるほど、大きな粒子が沈殿し、小さなものだけが水に浮いたままになりますので、小さなナノ粒子だけを取り出すことができます。
粒径を小さくすることで、安定に応答する材料となることがわかりましたので、現在は分級なしで直接小さな粒子だけを合成する方法を開発しています。
(*) エレクトロクロミック現象では、材料の色を酸化・還元することで制御します。酸化・還元に伴い、材料をイオンが出入りするため、その出入りしたイオンを受け取ったり、供給したりするもう一つの材料が必要になります。これが対極です。イオンの出入りにかかわらず、ずっと無色透明を維持する材料は、素子の色変化 に影響を与えなくなり、様々な素子の対極として使えるようになります。
(**)分級:粒子をサイズごとに分けること。遠心分離法では、高速回転させ、遠心力をナノ粒子の分散液に与えることで、大きく、重い粒子は水に浮くことができず、沈む一方、軽い粒子は浮かんだままのため、サイズごとに分けることができます。回転数を変えることで、分級するサイズを調整できます。
We demonstrated the redox reaction improvement of zinc-Prussian blue analogues (ZnPBA: zinc hexacyanoferrate) by size-controlled nanoparticles after centrifuge classification. The average size in the smallest class was 58.8 nm. With size-controlled ZnPBA nanoparticles, dense thin films can be fabricated with no binding material. These films show stable redox cycling even after 10 000 cycles. Results show that size-controlled ZnPBA nanoparticle films are promising candidates for use as counter-electrode materials for nonvolatile electrochromic devices.
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